せかいのはじまり

趣味ときどき仕事の備忘録

VORON準備編その2

前回、必要資材のダウンロードが完了したので、パーツの印刷を進めていきたい。

印刷にあたって以下について調べていく。

 

  1. 選択する材料
  2. 印刷設定

 

まず初めに、材料について。

FDM方式で一般的な材料というと以下が思いつく。

  • PLA
  • ABS
  • PETG
  • PC

この中で印刷の難易度を考慮すると圧倒的にPLAが優位なのだが、今回は3Dプリンターのパーツということで様々な要素を考慮する必要がありそう。

VORONは密閉式チャンバーを採用している。Adventurer3も印刷時のチャンバー内温度は冬場でも40℃、夏場は50℃を優に超える。PLAでは軟化温度に達してしまうことが想定されるためNG。

続いてABS。PLAと比べると印刷難易度は高いが軟化温度は約100℃と高い。機械的性質もバランスが良いが、フィラメントという視点では熱収縮による反りという課題がある。逆にこれさえ克服できれば使い勝手はかなり良い。

PETGは個人的にPLAの次に使いやすい材料。軟化温度もABSよりは低いが約80℃付近、印刷難易度も癖さえ覚えてしまえばコントロール可能である。ただし糸引きが多く仕上がりに影響することが多く、精度が求められる部品には使いたくない。

最後にPC。あまりたくさん使ったことはないが、PLAとABSとPETGの良いところと悪いところを混ぜた印象。うん、硬くて反りやすいこと以外はまぁ正直良くわかっていない。

 

と、ほぼ感想文になってしまっており数値的な比較ができていないのだが、悩んでいたところ公式のドキュメントに材料についての記載があった。

 

docs.vorondesign.com

 

フレーム周りや駆動系にはABS推奨とのこと。

それ以外のパネル系やスカートなどの部品にはPLAやPETGも使っていいよということらしい。

ちょっと意外だったのは、PCやナイロン系が全面推奨になっていないこと。材料選定においては熱耐性だけではなく、引張強度や圧縮強度など総合的に判断しないとならないということが勉強になった。

確かに、精度が求められる3Dプリンターで誤差の出る要素として、真っ先にステッピングモータやベルトなど駆動系部品が思いつく。だが、止めたい場所でヘッドを止めることが出来なければその分誤差として表れてしまう。ヘッドの運動エネルギーをしっかり受け止められる機械的性質を持ったパーツを選定することも重要なファクターということだ。

 

ちなみにパーツの印刷に利用するフィラメントの量についてはFAQページに記載がある。

V2の場合はベースカラーが1.6kg、アクセントカラーが0.3kgとなっている。おそらくラフトは考慮されていないと思われる。

一般的な1kgパッケージの場合、黒2本、アクセントカラー1本が必要。

ブランドにもよるが平均3,000円/kgとした場合、フィラメント代は9,000円程度ということになりそう。

 

長くなったが主要パーツはABS一択ということで進めたい。

Adventurer3でABSはしばらく印刷していないうえ、あまり良い思い出が無い。最初はABSとの仲直りから調整を始めることにしよう・・・。

 

 

続いて印刷設定。

 

印刷設定については以下のページに記載がある。

docs.vorondesign.com

 

 

こちらについて特記すべき点はなさそうだが、押し出し幅については0.4mm幅が指定されているので注意したい。FAQのページにも0.6mmノズルの使用可否についての記載があり、「可能だが推奨しない」という表記になっている。

サポートがないのは素直に嬉しい。

 

ということで次はABSの印刷調整について進めていきたい。

 

VORON準備編その3 ~ ABS対策 ~